【数学C】楕円の方程式・焦点をわかりやすく解説!縦長・横長の見分け方も

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楕円って、形のイメージはあっても、方程式になると急に難しく感じませんか?

\frac{x^2}{25}+\frac{y^2}{9}=1

この式からグラフを描いたり、焦点を求めたりすると言われると、「25と9をどう使うの?」と迷ってしまいますよね。

楕円の問題では、中心・縦横の広がり・焦点を順に読み取るのがポイントです。

この記事では、楕円の意味から基本の方程式、縦長・横長の見分け方、平行移動までを、例題もあわせて解説します。

この記事を読むとわかること
  • 楕円と焦点の意味
  • 方程式からグラフの形や焦点を求める方法
  • 焦点と距離の和から方程式を作る方法
  • 平方完成して、平行移動した楕円を調べる方法
この記事を書いた人

粗茶

  • 文系に特化して数学を分かりやすく教える高校数学の専門家
  • 指導歴15年
  • 数学が苦手で何から始めたらいいか分からない文系高校生の悩みを解決するコンテンツを展開しています。
目次

楕円は「2つの定点からの距離の和が一定」の点の集まり

まずは、楕円を距離の条件で考えてみましょう。

異なる2つの定点を F_1,F_2 とします。この2点からの距離の和が一定である点 P の集まりが、楕円です。

ただし、距離の和は、2つの定点間の距離より大きいものとします。

この2つの定点を、楕円の焦点といいます。

たとえば、

PF_1+PF_2=10

なら、楕円上のどの点でも、2つの焦点までの距離を足すと10になります。

例えば、次の楕円上の点Pをどこにとっても、2つの焦点F_1(-4,0),\quad F_2(4,0)からの距離の和が10となっています。

粗茶さん

この楕円の方程式は\cfrac{x^2}{25}+\cfrac{y^2}{9}=1なんですが、方程式については後ほど。

円は、中心からの距離が一定でした。楕円では、2つの焦点までの距離の和に注目するんですね。

ひもを張って描くと、意味がわかりやすい

2か所にピンを立てて、1本の伸びないひもの両端を固定したと考えてください。ひもの長さは、ピンどうしの距離より長くしておきます。

鉛筆の先でひもをぴんと張りながら動かすと、楕円が描けます。

鉛筆の先からそれぞれのピンまでの距離の和が、いつもひもの長さと等しくなるからです。

このピンの位置が、焦点に当たります。

(イメージ)

楕円の方程式は、分母から形を読み取ろう

中心が原点で、軸が座標軸に沿っている楕円は、次の形で表せます。

\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1

ここで a,b は正の数です。まずは、a(x^2の分母のルート)は横方向、b(y^2の分母のルート)は縦方向の半分の長さと考えましょう。

分母が大きいほうに長くなる

基本形に直したとき、

  • x^2 の下の分母が大きいと、横長
  • y^2 の下の分母が大きいと、縦長

になります。

長いほうの軸を長軸、短いほうの軸を短軸といいます。長軸の両端が、楕円の頂点です。

この記事では、a を横方向、b を縦方向に対応させます。

そのため、横長の楕円では a>b 、縦長の楕円では b>a になります。

なお、a=b のときは、

x^2+y^2=a^2

となり、原点を中心とする円になります。

円は、楕円の特別な場合だったんですね。

軸との交点を求めれば、縦横の広がりがわかる

x 軸との交点では、y=0 です。方程式に代入すると、

\frac{x^2}{a^2}=1

より、x=\pm a となります。

同じように、y 軸との交点では x=0 として、y=\pm b です。

つまり、楕円は次の4点を通ります。

(a,0),\quad(-a,0),\quad(0,b),\quad(0,-b)

横幅は 2a、縦の長さは 2b になります。

たとえば、

\frac{x^2}{25}+\frac{y^2}{9}=1

なら、a=5、b=3なので、

横幅2\times5=10、縦の長さ2\times3=6の、横長の楕円です。

分母が25だから横に25進む、ではありません。平方根を取って5です。

焦点は、長いほうの軸の上にある

楕円の焦点を求めるときも、先に縦長・横長を確かめましょう。

焦点は、中心から見て長いほうの軸の上にあります。

中心から焦点までの距離を c とすると、次のようになります。

スクロールできます
形条件焦点2焦点からの距離の和
横長a>b>0(\pm\sqrt{a^2-b^2},0)2a
縦長b>a>0(0,\pm\sqrt{b^2-a^2})2b

どちらも、中心から焦点までの距離は、

c=\sqrt{\text{大きい分母}-\text{小さい分母}}

です。方程式の分母の差を取って、最後にルートを付けると覚えましょうかね。

学生の方

長軸の端と焦点は別の点だったのね…

焦点は、長軸の端より内側にあります。グラフの端の座標と、焦点の座標は別に求めます。

なぜ、焦点を求めるときに「分母の差」を使うの?

学生の方

どうして分母の差をつかって焦点がわかるの?

横長の場合で確かめてみましょう。左右の頂点は (-a,0),(a,0)、焦点は (-c,0),(c,0) とします。

右の頂点 (a,0) から2つの焦点までの距離の和は、

(a+c)+(a-c)=2a

となります。

楕円上ではこの和が一定なので、上側の点 (0,b) からでも、距離の和は 2a です。

この点をP、2つの焦点をF_1, F_2とすると、△PF_1F_2はPF_1=PF_2の二等辺三角形。

PF_1+PF_2=2aだったので、PF_1は半分のaですね。

ここで三平方の定理から、

b^2+c^2=a^2

したがって、

c^2=a^2-b^2

平方根をとって、焦点のx座標は

c=\pm\sqrt{a^2-b^2}{}

となります。

公式だけだと忘れやすいですが、長半径・短半径・焦点までの距離で直角三角形を作ると考えると、関係が見えてきます。

方程式から焦点とグラフの形を求める

ここからは、具体的な楕円の方程式を考えていきましょう。

例題1

楕円

\frac{x^2}{9}+\frac{y^2}{25}=1

の焦点、頂点、長軸・短軸の長さを求め、グラフの概形を説明せよ。

まず、縦長か横長かを判断する

2つの分母を比べると、y^2 の下の分母25のほうが大きいので、縦長の楕円になります。

a^2=9、b^2=25 より、a=3、b=5 です。

したがって、中心は原点、頂点は (0,5),(0,-5)。x 軸とは (3,0),(-3,0) で交わります。

長軸の長さは 2\times5=10、短軸の長さは 2\times3=6 です。

焦点は縦方向に配置する

中心から焦点までの距離は、

c=\sqrt{25-9}=4

です。

縦長なので、焦点は y 軸上にあります。よって、

\boxed{\text{焦点 }(0,4),(0,-4)}

です。

答えをまとめると、頂点は上下に5、焦点は上下に4、左右の端は±3。

原点を中心に、これらの軸との交点を通るなめらかな縦長の楕円を描けばOKです。

数値だけでなく、焦点が長軸の端より内側にあることも確認しておきましょう。

焦点と距離の和から方程式を求める

今度は逆に、焦点と距離の和から方程式を作る問題。

例題2

2点 F_1(-3,0),F_2(3,0) からの距離の和が10である点 P の軌跡を求めよ。

距離の和は、長軸の長さに当たる

焦点間の距離は6で、距離の和10はそれより大きいので、軌跡は楕円です。

焦点が x 軸上に並んでいるため、中心が原点で、横長の楕円になります。

横長の場合、2焦点からの距離の和は 2a なので、

2a=10\quad\Rightarrow\quad a=5

です。

また、中心から焦点までの距離は3なので、c=3 です。

残りの分母を求める

横長の楕円では、

c^2=a^2-b^2

が成り立ちます。a=5,\quad c=3はわかってるので、代入して、

3^2=5^2-b^2

したがって、

b^2=25-9=16

です。

よって、求める軌跡の方程式は、

\boxed{\frac{x^2}{25}+\frac{y^2}{16}=1}

となります。グラフはこんな感じ。

うっかり距離の和10をそのまま分母にしないことがポイント。あくまで10は長軸全体の長さなので、半分にして5、その2乗の25が分母になります。

平行移動した楕円は、まず中心を見つけよう

学生の方

円のときみたいに、原点が中心じゃないものもあるんじゃないの?

中心が(h,k) になった楕円は、

原点を中心とする楕円をx軸方向にh,y軸方向にhだけ平行移動したものと考えます。

関数の平行移動は大丈夫かと思いますが、

平行移動

関数y=f(x)のグラフをx軸方向にp,y軸方向にqだけ平行移動すると、

y-q=f(x-p)

y=f(x)でなくても同じことができるので、原点中心の楕円の式のxをx-pに、yをy-qに置き換えます。

ということで、中心が(h,\quad k)である楕円の方程式は、

\frac{(x-h)^2}{a^2}+\frac{(y-k)^2}{b^2}=1

と表せます(ただし a>0,b>0 )。

縦横の広がりの求め方は同じです。x^2の分母が大きければ横長、y^2の分母が大きければ縦長です。

中心から焦点までの距離も、今までと同じように考えます。

横長なら、中心から左右に\sqrt{a^2-b^2}移動したところに焦点があるので、焦点は、

(h\pm\sqrt{a^2-b^2},k)

縦長なら、中心から上下に\sqrt{b^2-a^2}移動したところに焦点があるので、焦点は、

(h,k\pm\sqrt{b^2-a^2})

です。

実際の問題では式が展開された状態で出てくることも多いので、x と y をそれぞれ平方完成してから考えましょう。

例題3

楕円

4x^2+9y^2-8x+36y+4=0

の中心と焦点を求めよ。

文字ごとにまとめて平方完成する

x の項、y の項をまとめると、

4(x^2-2x)+9(y^2+4y)+4=0

です。ここで、

x^2-2x=(x-1)^2-1
y^2+4y=(y+2)^2-4

なので、元の式に代入して、

4\{(x-1)^2-1\}+9\{(y+2)^2-4\}+4=0

整理して、

4(x-1)^2+9(y+2)^2=36

となります。

さらに両辺を36で割り、右辺を1にそろえます。

粗茶さん

楕円の方程式の右辺は1でしたね

\frac{(x-1)^2}{9}+\frac{(y+2)^2}{4}=1

中心を基準にして、焦点を求める

分子がそれぞれ(x-1)^2と(y+2)^2になっているということで、中心は、

\boxed{(1,-2)}

x 側の分母9のほうが大きいため、横長です。

中心から焦点までの距離は、

c=\sqrt{9-4}=\sqrt5

なので、焦点は、中心 (1,-2) から左右に \sqrt5 ずつ動かして、

\boxed{(1+\sqrt5,-2),\quad(1-\sqrt5,-2)}

となります。

楕円で間違えやすい3つのポイント

右辺を1にする前に、係数だけで判断しない

たとえば、

4x^2+9y^2=36

では、y^2 の係数9が大きいから縦長、と考えるのは間違いです。

両辺を36で割ると、

\frac{x^2}{9}+\frac{y^2}{4}=1

なので、横長になります。

基本形に直した後の分母を比べるようにしましょう。

軸の端と焦点を混同しない

横長の楕円なら、頂点は (\pm a,0)、焦点は (\pm\sqrt{a^2-b^2},0) です。

グラフの広がりを決める長さと、焦点の位置を決める長さを分けて考えましょう。

距離の和と、中心から焦点までの距離を区別する

2焦点からの距離の和は、長軸の長さです。

一方、中心から焦点までの距離は、分母の差の平方根で求めます。

同じ「距離」でも、どことどこの長さなのかを確かめると、使う数値を整理できます。

まとめ:中心・広がり・焦点の順に読み取ろう

楕円は、2つの焦点からの距離の和が一定である点の集まりです。その一定の値は、長軸の長さに等しくなります。

基本形は、

\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1

です。a>0,\quad b>0 として、横方向の半分の長さが a、縦方向の半分の長さが b でした。

問題を解くときは、次の順に確認しましょう。

  1. 必要なら平方完成して、右辺を1にする
  2. 中心の座標を読み取る
  3. 分母を比べ、縦長・横長を判断する
  4. 分母の平方根から、縦横の広がりを求める
  5. 大きい分母から小さい分母を引き、その平方根で焦点までの距離を求める

分母が大きい方向に長くなり、焦点もその方向に並ぶ。

まずはここを押さえて、方程式とグラフの形を結びつけていきましょう。

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