「人をいくつかの部屋に分ける問題になると、どう数えればいいのか分からない」「空き部屋があっていい場合とダメな場合で、何が変わるの?」と悩んでいませんか?
部屋分けの問題は「1人ずつ、どの部屋に入るか」を考えると、とても整理しやすくなります。
この記事では、各部屋に入る人数が決まっていない「部屋分け」の問題について、空き部屋があってよい場合・すべての部屋を使う場合に分けて、具体例を使いながら解説します。
読み終わるころには、部屋分けの問題を見たときに、何を基準に数えればよいか判断し、自分で式を立てられるようになりますよ。

粗茶
- 文系に特化して数学を分かりやすく教える高校数学の専門家
- 指導歴15年
- 数学が苦手で何から始めたらいいか分からない文系高校生の悩みを解決するコンテンツを展開しています。

部屋分けの問題は「部屋の人数が決まっていない」
まずは、こんな問題を考えてみましょう。
A、B、Cの3人が、1号室・2号室の2つの部屋に分かれて入ります。
空き部屋があってもよいものとすると、入り方は何通りありますか。
この問題では、
- 1号室に何人入れる
- 2号室に何人入れる
という人数の指定がありません。
たとえば、
- 3人とも1号室
- A、Bが1号室でCが2号室
- Aが1号室でB、Cが2号室
- 3人とも2号室
など、いろいろな入り方が考えられます。
このように、
それぞれの部屋に何人入るかが決まっていない状態で、人を部屋に振り分ける問題
を、この記事では「部屋分けの問題」と呼びます。
部屋分けは「1人ずつ考える」
例題1を解いてみましょう。
Aさんは、1号室か2号室のどちらかに入るので、部屋の選び方は2通りです。
Bさんも同じく2通り。Cさんも2通りです。

したがって、
2\times 2\times2=2^3=8(通り)
となります。
学生の方「どの部屋に何人入るか」を先に考えるんじゃないの?
部屋の人数を先に考えることもできますが、場合分けが増えてしまいます。
部屋分けの問題では、「Aさんはどこ?」「Bさんはどこ?」のように、人を基準に考える方が簡単です。
なぜ掛け算になるの?
学生の方掛け算になるのはどうして?
Aさんから順に部屋を決めていくとして、
Aさんの部屋の決め方が2通り、
それぞれに対してBさんも2通りの選択肢があります。
ここまでで2\times 2=4(通り)。
さらに、この4通りそれぞれに対して、Cさんも2通りの選択肢があるので、
2\times 2\times 2=8(通り)
と掛け算をします。
これは場合の数で学ぶ積の法則を使っているんですね。
n人をr個の部屋に自由に入れる場合
一般に、n人を、区別のあるr個の部屋に入れるとします。
空き部屋があってもよいなら、1人につきr通りの入り方があります。
それがn人いるので、r(部屋数)をn(人数)回かけて、
{\color{red}r}^{\color{blue}n}(通り)という計算になります。
粗茶さんrとnを逆にしてしまうミスが多いので、意味をよーく考えてね。
例えばこんな問題だったら、
5人が、1号室・2号室・3号室の3つの部屋に分かれて入ります。
空き部屋があってもよいものとすると、入れ方は何通りありますか。
1人につき部屋の入り方が3通りあって、全部で5人いるので、
{\color{red}3}^{\color{blue}5}=243(通り)となります。
空き部屋があってはいけない場合
空き部屋ができても構わない場合の計算は簡単でしたが、全員が同じ部屋に入っていては部屋分けにならないので、多くの場合「空き部屋があってはいけない」という条件のついた問題になります。
空き部屋を気にせずに数えてから、空き部屋のある場合を引く
例えば、こんな問題です。
A、B、Cの3人が、1号室・2号室の2つの部屋に分かれて入ります。
どちらの部屋にも少なくとも1人は入るとすると、入り方は何通りありますか。
まず、空き部屋を気にせずに数えた後に、空き部屋のある場合の数を引きます。
空き部屋があってもよいとすると、2部屋に3人が入るので、
2^3=8(通り)
になります。
しかし、その中には空き部屋ができる場合も含まれています。
空き部屋ができる場合とは、「全員が1号室」と「全員が2号室」の2通りで、これは今回の問題には合わないので除きます。
したがって、求める部屋の入り方は、
8-2 =6(通り)
となります。
空き部屋を気にせずに計算して、空き部屋ができる場合を引くのがポイントです。
3部屋の場合は空き部屋の数に注意
では、部屋が3つの場合はどうでしょうか。
A、B、C、Dの4人が、1号室・2号室・3号室の3つの部屋に分かれて入ります。
どの部屋にも少なくとも1人は入るとすると、入り方は何通りありますか。
まず、空き部屋を許せば、3部屋に4人なので、
3^4=81(通り)
になります。
ここから、空き部屋ができる場合の数を引きます。
学生の方「全員1号室」「全員2号室」「全員3号室」の3通り?
全員が1部屋に集まる場合(2部屋が空き)も、もちろん空き部屋ができる場合に含まれます。
ですが、今回は3部屋あるので、「1部屋だけが空きで、残り2部屋に分かれる」という場合も、空き部屋ができる場合に含まれます。

これを踏まえて、空き部屋ができる場合を数えていきましょう。空き部屋の数で場合分けしましょう。
空き部屋が2つの場合(全員1部屋に集まる場合)
空き部屋が2つ、つまり全員が1部屋に集まる場合は、「全員1号室」「全員2号室」「全員3号室」の3通りです。
空き部屋がちょうど1つだけの場合(2部屋に分かれる場合)
空き部屋がちょうど1つだけの場合はちょっと複雑です。
まず、「どの部屋を空き部屋にするか」が3通りあります。
粗茶さん「1号室が空き」「2号室が空き」「3号室が空き」の3通りね。
その中で、「1号室だけが空き」の場合を考えると、
2号室と3号室の2部屋に4人がわかれるっていうことなので、
2^4=16(通り)
となりますが、この中には「全員が2号室」と「全員が3号室」の場合が含まれています。
これらは空き部屋が2つになっているので、「空き部屋がちょうど1つ」の条件を満たしません。
ということで、「1号室だけが空き」の場合の数は、今の16通りから「全員が2号室」と「全員が3号室」の2通りを除いて、
16-2=14(通り)
になるんですね。
そしてこれは、「2号室が空き」と「3号室が空き」の場合も同様に14通りなので、全部で
14\times 3=42(通り)
となります。
以上から、空き部屋ができる場合は、2部屋が空きになる3通りと、1部屋だけ空きになる42通りを合わせて、全部で45通りになります。
空き部屋をゆるした81通りから、空き部屋ができる45通りを引いて、求める部屋の分け方は、
81-45=36(通り)
となります。
「少なくとも」が出てきたら全体から引く
部屋分けでは、
「各部屋に少なくとも1人入る」
という条件がよく出てきます。
「少なくとも」という条件が出てきたときは、条件を満たす場合を直接数えるより、条件を満たさない場合を引く方が簡単なことは多いです。
部屋分けの問題については、空き部屋を許した場合の数から、空き部屋ができる場合の数を引くのが基本です。
まとめ
この記事では、場合の数の「部屋分け」について解説しました。
部屋分けとは、各部屋に何人入るかが決まっていない状態で、人を区別された部屋に振り分ける問題です。
空き部屋があってよいなら、1人ずつどの部屋に入るかを考えて、r^nと数えることができます。
また、「どの部屋にも少なくとも1人入る」という条件がついたら、空き部屋ができる場合を除きます。
部屋分けの問題で迷ったら、まずは、「この1人は何通りの部屋を選べる?」と考えてみてください。
そこから1人ずつ考えていけば、複雑そうに見える部屋分けの問題もかなり整理しやすくなりますよ。

