学生の方放物線って、y=ax^2+bx+cだと思ってたら、なんか違うの出てきたんだけど…
そうなんですよ。数Cでは方程式が y^2=4px という形になっていて、「焦点」「準線」という新しい言葉が登場。
しかも、今度は y を2乗することもあります。
でも、数学Ⅰで習った放物線と、数学Cで扱う放物線はつながっているんですよ~。
- 放物線の焦点・準線とは何か
- 放物線の方程式と、開く向きの関係
- 焦点・準線や、放物線の方程式を求める方法
- 平行移動した放物線の扱い方

粗茶
- 文系に特化して数学を分かりやすく教える高校数学の専門家
- 指導歴15年
- 数学が苦手で何から始めたらいいか分からない文系高校生の悩みを解決するコンテンツを展開しています。

放物線は「点と直線からの距離が等しい点」の集まり
数学Ⅰでは、二次関数のグラフとして放物線を学びました。
数学Cでは、少し見方を変えて、距離の条件から放物線を考えます。
焦点と準線の意味
ある決まった点を F、その点を通らない決まった直線を \ell とします。
このとき、点 F からの距離と、直線 \ell からの距離が等しい点の集まりを放物線といいます。
そして、この決まった点 F を 焦点、決まった直線 \ell を 準線と呼びます。
学生の方点からの距離はいいとして、直線からの距離ってどこから測るの?
粗茶さん直線からの距離っていうときは最短距離なので、垂線の長さを測ります。
放物線上の点を P、P から準線に下ろした垂線の足を H とすると、放物線上では、どこに点 P を取っても、
PF=PH
が成り立ちます。

頂点と軸も確認しよう
焦点を通り、準線に垂直な直線が、放物線の軸です。放物線はこの軸について対称になります。
また、放物線と軸が交わる点が頂点です。
頂点は、焦点と、焦点から準線に下ろした垂線の足との中点にあります。
たとえば、さっきの図のように、焦点が F(2,0)、準線が x=-2 なら、頂点はその間の原点(0,0)です。
原点から焦点までの距離も、準線までの距離も、どちらも同じで2になっていますね。
放物線の基本形は、まず2種類を押さえよう
頂点が原点、軸が座標軸になっている放物線の基本形は、次の2種類です。ここで p は0でない実数とします。
| 方程式 | 焦点 | 準線 | 軸 |
|---|---|---|---|
| y^2=4px | (p,0) | x=-p | x 軸 |
| x^2=4py | (0,p) | y=-p | y 軸 |
どちらも頂点は (0,0) です。
いきなり全部を暗記するより、まずは横に開くか、縦に開くかを区別しましょう。
y²=4px は横に開く
y^2=4px
は、軸が x 軸の放物線です。
- p>0 なら右向き
- p<0 なら左向き
に開きます。
理由は、y^2\geqq 0 だからです。
たとえば、
y^2=8x
では、左辺のy^2が0以上なので、右辺も0以上であり、x\geqq 0 です。グラフは原点から右側に広がります。
一方、
y^2=-8x
では x\leqq 0 となり、左側に広がります。
x²=4py は縦に開く
x^2=4py
は、軸が y 軸の放物線です。
- p>0 なら上向き
- p<0 なら下向き
に開きます。
こちらは数学Ⅰであつかった、よく知っている2次関数のグラフです。
たとえば、
x^2=8y
を y について解くと、
y=\frac18x^2
です。見覚えのある2次関数になりましたね。
グラフの形をまとめると、次のようになります。

なぜ y²=4px になるの?
学生の方ずっと言わないでいたけど、4pxって何?なんで4?
確かに突然の4pxに戸惑っている方が多いと思います。
ここで焦点・準線と方程式の関係を、一度確かめておきましょう。
焦点を F(p,0)、準線を x=-p とし、放物線上の点を P(x,y) とします。ただし p\neq 0 です。
まず、2点間の距離の公式から、
PF=\sqrt{(x-p)^2+(y-0)^2}=\sqrt{(x-p)^2+y^2}となります。
また、点 P(x,y) から直線 x=-p までの距離は、
|x-(-p)|=|x+p|
です。
粗茶さんx座標の差ですが、点Pと準線の位置が逆でもいいように絶対値をつけておきます。
放物線は、この2つの距離が等しい点の集まりなので、
\sqrt{(x-p)^2+y^2}=|x+p|が成り立ちます。
両辺とも0以上なので、両辺を2乗してもOKで、
(x-p)^2+y^2=(x+p)^2
展開すると、
x^2-2px+p^2+y^2=x^2+2px+p^2
共通する項を消して、
y^2=4px
となりました。
焦点までの距離と準線までの距離が等しい、という条件を式にすると、放物線の方程式になるわけです。
学生の方軌跡を求めてるってことか。
x^2=4py も、x と y の役割を入れ替えれば、同じように導けます。
方程式から焦点・準線を求める
ここからは、放物線に関する例題を解いてみます。
放物線
x^2=12y
の焦点・準線・頂点を求めよ。
係数を 4p と比べる
放物線の基本形は
x^2=4py
だったので、これと問題の式を見比べます。
y の係数が12なので、
4p=12
より、
p=3
です。
放物線x^2=4pyの焦点は (0,p)、準線は y=-p 。
これらにp=3を代入して、
\boxed{\text{焦点 }(0,3)、\quad\text{準線 }y=-3、\quad\text{頂点}(0,0)}となります。頂点は焦点と準線のまんなかをとればOK。
p>0 なので、グラフは上向きに開きます。
係数を、そのまま焦点の座標にしない!
12yだからといって、そのまま焦点を (0,12) にしてはいけません。
あくまで係数は 4p です。
「まず係数を4で割って p を出す」と覚えておきましょう。
ということで、グラフをかくとこんな風になります。

焦点・準線から方程式を求める
続きまして、焦点と準線から放物線の方程式を求める問題。
焦点が F(-2,0)、準線が x=2 である放物線の方程式を求めよ。
頂点と軸を確認する
焦点 (-2,0) から準線 x=2 に垂線を下ろすと、その足は (2,0) です。
この2点の中点が頂点なので、頂点は (0,0)。
また、焦点を通り、準線に垂直な軸は x 軸です。
したがって、横に開く放物線になるので、
y^2=4px
の形を使います。
この形の焦点は (p,0) なので、
p=-2
これを式に代入して、
y^2=4(-2)x
よって、
\boxed{y^2=-8x}となります。
準線も x=-p=2 となり、問題の条件に合っていますね。
この問題では、頂点から焦点までの距離は2。焦点が頂点の左側にあるため、p=-2 になります。

平行移動した放物線は、頂点を出発点に考える
ここまではすべて、頂点が原点である放物線でしたが、数学Ⅰでもやったように、放物線には頂点が原点じゃないものが出てきますよね。むしろ基本そっちですよね。
頂点が原点以外の点 (h,k) である放物線は、原点を頂点とする放物線をx軸方向にh、y軸方向にkだけ平行移動したと考えます。
関数のグラフの平行移動が次のようにできることは大丈夫だと思いますが…
関数y=f(x)のグラフをx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動すると、
y-q=f(x-p)
y=f(x)の形をしていなくても同じことができるので、放物線のグラフをx軸方向にh、y軸方向にkだけ平行移動するなら、方程式の中で x を x-h、y を y-k に置き換えます。
グラフが移動するのに連動して、焦点と準線も同じように平行移動します。
一応まとめると次のようになります。
| 方程式 | 頂点 | 焦点 | 準線 |
|---|---|---|---|
| (y-k)^2=4p(x-h) | (h,k) | (h+p,k) | x=h-p |
| (x-h)^2=4p(y-k) | (h,k) | (h,k+p) | y=k-p |
表を覚えても忘れちゃうので、頂点を出発点にして、自分で考えて焦点と準線を配置するのがオススメ。
たとえば、横向きの放物線
(y-k)^2=4p(x-h)
なら、頂点は (h,k)。
焦点は頂点から x 軸方向に p だけ移動した点なので(h+p,k)。
準線は焦点とは反対側にpだけ移動(つまり頂点からx軸方向に-p移動)した場所にあってy軸と平行な直線なので x=h-p 、
という風に求めることができます。
頂点が原点でない放物線の焦点・準線を求める
ここまでの話を踏まえて、頂点が原点でない放物線の問題を考えてみましょう。
y^2-4y-8x+12=0
の頂点、焦点、準線を求めよ。
まず、2乗されている文字について平方完成する
学生の方y^2=4pxみたいな形になってないんだけど…
この式は、そのままでは基本形y^2=4pxと比べにくいですね。
今回はy^2-4y があるので、y について平方完成すると、話が見えてきます。
\begin{array}{}
&y^2-4y&=&8x-12\\\\
&(y-2)^2-2^2&=&8x-12\\\\
&(y-2)^2&=&8x-8\\\\
\therefore&(y-2)^2&=&8(x-1)
\end{array}こんな感じです。
これは、放物線y^2=8xをx軸方向に1、y軸方向に2だけ平行移動したものですね。
平行移動してもしなくてもpは変わらないので、
4p=8
より、
p=2
とわかります。pが正なので、右に開く放物線になることもわかりますね。
頂点から焦点・準線を求める
放物線y^2=8xをx軸方向に1、y軸方向に2だけ平行移動したので、頂点は、(1,2)です。
焦点は、頂点から右に2進んだ点なので、(3,2)。
粗茶さん2はpの値ね。
準線は、頂点(1,2)から左に2離れたところにあるy軸に平行な(縦の)直線なので、x=-1です。
よって、
\boxed{\text{頂点 }(1,2)、\quad\text{焦点 }(3,2)、\quad\text{準線 }x=-1}が答えです。
軸は頂点と焦点を通る直線 y=2 で、放物線は右向きに開くので、グラフはこんな感じ。

式が展開されていたら、まず平方完成。
これが、平行移動した放物線を読み取るときの基本です。
放物線の問題で迷ったときの確認ポイント
どちらの文字が2乗されている?
基本形では、
- y^2 があると横向き
- x^2 があると縦向き
です。
平行移動した形でも、(y-k)^2 なら横向き、(x-h)^2 なら縦向きになります。
p を出す前に、式を整理した?
たとえば、
2y^2=12x
なら、まず両辺を2で割って、
y^2=6x
とします。ここから、
4p=6
と比較するので、
p=\frac32
です。2乗の項の係数を1にしてから比べましょう。
焦点と準線が、頂点の反対側にある?
頂点から焦点までの距離と、頂点から準線までの距離は等しくなります。
さらに、放物線は頂点から見て焦点がある側に開きます。
この位置関係を確認すると、符号や向きの間違いに気づきやすくなります。
まとめ:基本形に直して、頂点・向き・p を読む
放物線は、焦点からの距離と、準線からの距離が等しい点の集まりです。
頂点が原点の場合は、次の2つが基本になります。
y^2=4px\quad\Rightarrow\quad\text{焦点 }(p,0)、\ \text{準線 }x=-px^2=4py\quad\Rightarrow\quad\text{焦点 }(0,p)、\ \text{準線 }y=-p問題を解くときは、次の流れを押さえましょう。
- 必要なら平方完成して、基本形に直す
- 頂点と、縦向き・横向きを確認する
- 係数を 4p と比べて、p を求める
- 頂点を基準に、焦点と準線の位置を決める
公式の文字が増えると難しく見えますが、読み取る情報は「頂点」「向き」「p」です。
まずは基本形を見たときに、焦点と準線がどこにあるかを思い浮かべるところから練習してみましょう。
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