【1/6・1/3・1/12】積分しない面積公式5選!【共テ向け】

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

数Ⅱの最後の単元「積分」では,面積の計算が出てきます。

「上から下を引いて積分」という手順そのものが難しいということはありません。

学生の方

時間があればできるけど,模試だと時間がたりなくなちゃうよ。

真面目に積分していくと計算が大変で嫌になっちゃうよ…という経験はありませんか?

この記事では,面積の計算スピードを上げるための便利な公式5つを紹介します。

この記事を書いた人
粗茶
  • 高校数学・高校公民・中学社会担当の現役塾講師
  • 講師歴13年
  • 13年の指導経験で知った「生徒がつまづきやすいポイント」や「教科書よりも効率の良い解法」をわかりやすく発信しています。
目次

積分を用いた面積の計算とは

複数の直線や曲線で囲まれる部分の面積は,ふつうは積分を用いて求めます。

例えばこんな問題。

例題

放物線y=x^2-2と直線y=-2x+1で囲まれる部分の面積を求めよ。

まずは図を書くために,放物線と直線の交点を求めます。

放物線と直線の式を連立させて,

  x^2-2=-2x+1

⇔ x^2+2x-3=0

⇔ (x-1)(x+3)=0

∴ x=-3,1

となるので,放物線と直線の交点のx座標は-3,1

面積は「上から下を引いて積分」なので,

  \displaystyle \int^1_{-3}\{(-2x+1)-(x^2-2)\}dx

= \displaystyle \int^1_{-3}(-x^2-2x+3)dx

= \left[-\cfrac{1}{3}x^3-x^2+3x\right]^1_{-3}

= \left(-\cfrac{1}{3}\cdot 1^3-1^2+3\cdot 1\right)-\left\{-\cfrac{1}{3}\cdot(-3)^3-(-3)^2+3\cdot(-3)\right\}

= \cfrac{32}{3}

学生の方

めんどくさいし,間違えそう…

積分の計算をまともに行うと,分数が出てきて,計算がとても煩雑になりがちです。

そこで,特定の形においては,面積の計算公式を覚えておくことで,計算にかかる時間を大幅に減らすことができます。

計算スピード爆上がり!面積の計算公式5選

ここからは,積分の問題でよく出される面積の計算公式を5つ紹介します。

2次関数と直線で囲まれる面積(6分の1公式)

もっともよく使われるのが「2次関数と直線で囲まれる部分」の面積です。

2次関数と直線で囲まれる面積

図の色を付けた部分の面積をSとすると,

 S=\cfrac{|a|}{6}l^3

面積を求めるのに必要なのは,「2次の係数」と「横幅」だけ。

そして直線の式は何でもよい!ということです。

上の例題でやってみましょう。

(放物線と直線の交点を求めるところまでは上の解答と同じ)

aは2次の係数なので,1

lは横幅なので,1-(-3)=4 

よって,色を付けた部分の面積は,

 \cfrac{|1|}{6}\cdot 4^3

\cfrac{32}{3}

学生の方

速い…速すぎる…

答えを求めるだけなら,公式一発で計算してしまえるのは強いです。

2次関数と2次関数で囲まれる面積(6分の1公式)

2次関数と2次関数でで囲まれる部分の面積も,6分の1公式が使えます。

2次関数と2次関数で囲まれる面積

図の色を付けた部分の面積をSとすると,

 S=\cfrac{|a-b|}{6}l^3

分母が「2次の係数の差」になるところに注意しましょう。

2次関数と接線で囲まれる面積(3分の1公式)

2次関数とその接線で囲まれる部分の面積は,分母が3になります。

2次関数と接線がつくる面積

図の色を付けた部分の面積をSとすると,

 S=\cfrac{|a|}{3}l^3

接点は右側でも左側でもいいです。例を1つ。

色を付けた部分の面積は,

 \cfrac{|-2|}{3}(3-0)^3

\cfrac{2}{3}\times 3^3

18

求めているのは面積なので,必ず正の値になることは確認しておきましょう。

2次関数と2本の接線で囲まれる面積(12分の1公式)

2次関数と2接線で囲まれる面積は頻出ですが,公式を知らないと時間がかかってしまいます。

分母が12になります。

2次関数と2接線で囲まれる面積

図の色を付けた部分の面積をSとすると,

 S=\cfrac{|a|}{12}l^3

ひとつ例をあげます。公式と違って見えますが,実は同じです。

図の色を付けた部分の面積は,

 \cfrac{|1|}{12}(2-0)^3

\cfrac{1}{12}\times 8

\cfrac{2}{3}

一見,接線が1つしかないように見えますが,今回はx軸も接線とみなすことができますよね。

よって,2つの接線で囲まれた形が使えることになります。

3次関数と接線で囲まれる面積(12分の1公式)

最後に3次関数と接線で囲まれる面積です。

3次関数と接線で囲まれる面積

図の色を付けた部分の面積をSとすると,

 S=\cfrac{|a|}{12}l^4

こちらも12分の1ですが,4乗になっていることに注意してください。

積分の面積公式を使う上での注意点

とても便利な積分の面積公式ですが,使う上で注意しておかなければならないことがあります。

積分の面積公式を使うときの注意点
  • 公式がそのまま使えないことが多い
  • 記述の解答では書きづらい
  • 本来の積分を忘れてしまいそう

順に説明していきますね。

注意点① 公式がそのまま使えないことが多い

実際の入試問題は,公式をそのまま使って面積が求められることは多くありません

例えば次のような面積。

一見,「6分の1公式」が使えそうに見えるかもしれませんが,直線部分が2本あるので,公式は使えません

公式が使えない場合は,本来の求め方に戻って,「(上の線の式)ー(下の線の式)」を積分して計算するのが,結局早いです。

どうしても積分をしたくないという人は,次の図のように2つに分けて求めることもできます。

上の黄色い部分は三角形なので,三角形の面積(底辺✕高さ÷2),下の青い部分は「6分の1公式」で求められるので,

それぞれを計算して足せば,面積が求められます。

粗茶さん

ここまでするぐらいなら,普通に積分したほうがいいかもしれない…

注意点② 記述の解答では使いづらい

積分の面積公式は,記述式の解答に説明無しで使うことはできません

導出過程も採点の対象になる記述問題で,いきなり公式を書いて答えにするのはマズイでしょう。

どうしても公式で計算したい場合であっても,とりあえずインテグラルをつかった式は書いて,最低限「積分したふり」はしておきましょう。

「積分したふり」の例

 \displaystyle \int^1_{-3}\{(-2x+1)-(x^2-2)\}dx

\cfrac{|1|}{6}\{1-(-3)\}^3

\cfrac{32}{3}

粗茶さん

限りなく黒に近いグレーのような気がする…

積分の「6分の1公式」だけは,教科書で扱われているので,証明無しで使っても許される可能性が高い。

\displaystyle\int^{\beta}_{\alpha}(x-\alpha)(x-\beta)dx=-\cfrac{1}{6}(\beta-\alpha)^3

注意点③ 積分のやりかたを忘れてしまいそう

便利な公式だけを使っていると,本来の積分のやり方を忘れてしまうかもしれません

2次関数と直線でつくられる面積であれば,工夫をこらすことで,大抵の問題は積分なしで求めることができます。

しかし,最近のセンター試験・共通テストでは,積分の計算そのものを問う出題も増えています。

裏技的な公式だけに頼らず,積分の計算もきちんとできるようにしておきましょう。

粗茶さん

もちろん数Ⅲまで必要な人は,積分あります。

積分の面積公式 まとめ

今回は,面積の計算スピードを上げるための便利な公式を5つ紹介しました。

微分・積分の分野は,数ⅡBの中では比較的得点しやすい分野だと思います。

面積の計算はどうしても数が複雑になるので,便利な公式を併用しつつ,効率よく解き進めていきましょう!

積分の面積公式 おすすめ参考書

面積の公式以外にも,共通テストで即効性の高い解き方が満載!

このブログでは,自分で勉強しているとき,つまづきやすいポイントを解説。

「かゆいところに手が届く」情報を発信しています。

自分で勉強する際にオススメの参考書や,勉強が楽しくなる文房具も紹介していますので,よろしければご覧ください!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次