【数列】群数列の解き方をわかりやすく解説!表を使ってスッキリと!

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学生の方

群数列が全然わかりません!

数列の中でも苦手な人の多さで上位に位置するのが群数列

なんだかごちゃごちゃしてて意味がわからない!って悩んでいませんか?

実は,群数列は「項数に注目する」「表にまとめる」ことでスッキリと解くことができてしまいます。

この記事では,群数列の問題の解き方をわかりやすく説明していきます。

群数列は解き方をマスターしてしまえば,大きな得点源になります。

群数列を得意分野にして,周りに差をつけちゃいましょう!

この記事を読むとわかること
  • 群数列の問題の解き方がスッキリ理解できる
この記事を書いた人
粗茶
  • 高校数学・高校公民・中学社会担当の現役塾講師
  • 講師歴13年
  • 13年の指導経験で知った「生徒がつまづきやすいポイント」や「教科書よりも効率の良い解法」をわかりやすく発信しています。
目次

「〜までの項数」=「〜が何番目か」

群数列の問題に入る前に,一つ確認しておきたいことがあります。それは,

「〜までにいくつの項があるか」と「〜は何番目か」は同じ意味だということ。

群数列は,項数に注目することが最重要ポイントなので,しっかり確認しておきましょう。

群数列は項数を追え!

まずは,項数に注目しやすい問題をやってみましょう。

例題1
1,2,2,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,5,5,\cdots

のように,自然数nn個ずつ並んでいる数列がある。
(1)初めて30が現れるのは,第何項か。
(2)第200項を求めよ。
(3)初項から第200項までの和を求めよ。

1が1個,2が2個,3が3個…と続いているので,次のように群に分けます。

横長になってしまうので,表にまとめるとわかりやすくなります。

そして,一番右の列の項数に注目することが大切です。

(1)初めて現れる30は,第何項か。

(1)は,「初めて現れる30は,最初から数えると第何項ですか?」というご質問です。

第30群付近を表に書いて考えてみましょう。

「初めて現れる30」は,第30群の最初の項ですね。

一つ手前の第29群までには,

1+2+3+\cdots+29個の項が入っています。(上表の赤枠)

第30群の最初の項は,そのすぐ次なので,1足して,

1+2+3+\cdots+29+1番目の項,ということになります。

よって,初めて30が現れるのは,

\begin{aligned}& 1+2+3+\cdots+29+1\\\\&=\sum^{29}_{k=1}k+1\\\\&=\cfrac{1}{2}\cdot29\cdot30+1\\\\&=436\end{aligned}

より,第436項 …(答)

(2)第200項を求めよ。

まず,第200項が第何群に含まれるか?を考えます。

第200項が第n群に含まれるとすると,

第200項は,第n-1群の最後の項と,第n群の最後の項の間にあります。

表にすると,次のようになります。

n-1群までの項数(上表の青枠)は,

1+2+\cdots+(n-1)=\displaystyle{\sum^{n-1}_{k=1}k}=\cfrac{1}{2}(n-1)n(個)

n群までの項数(上表の赤枠)は,

1+2+\cdots+n=\displaystyle{\sum^{n}_{k=1}k}=\cfrac{1}{2}n(n+1)(個)

で,200がこれらの間にあるので,

\cfrac{1}{2}(n-1)n<200\leqq\cfrac{1}{2}n(n+1)
粗茶さん

第200項が,ちょうど第n群の最後の項という可能性もあるので,右側の不等号にはイコールをつけておきます。

この不等式の各辺を2倍して,

(n-1)n<400\leqq n(n+1)

ここで,二次不等式を解けばいいわけなのですが,まともに計算しようとしても解けません。

そこで,nが自然数であることに注目して,てきとうな数字を代入して,成り立つかどうかを調べていきます

今回は,20×20が400なので,20あたりに答えがありそうです。

n=18のとき,(n-1)n=17\cdot18=306,n(n+1)=18\cdot19=342 で,×\\n=19のとき,(n-1)n=18\cdot19=342,n(n+1)=19\cdot20=380 で,×\\n=20のとき,(n-1)n=19\cdot20=380,n(n+1)=20\cdot21=420 で,◯

ということで,不等式をみたすnは20ということがわかりました。

よって,第200項は第20群にあることが判明。

第20群に含まれる項はすべて20なので,第200項は20ということになります。…(答)

(3)初項から第200項までの和を求めよ。

(2)で,第200項は第20群にあることはわかりました。

第200項までの和を求めるには,第200項が第20群の何番目かを求める必要があります。

第19群までの項数(上表の赤枠)は,

\begin{aligned}& 1+2+3+\cdots+19\\\\&=\sum^{19}_{n=1}k\\\\&=\cfrac{1}{2}\cdot19\cdot20\\\\&=190(個)\end{aligned}

なので,第200項は,第20群の200-190=10番目なのだ。

ということで,第200項までの和は,

1が1個,2が2個,3が3個,…,19が19個と,20が10個なので,

\begin{aligned}& 1\times1+2\times2+3\times3+\cdots+19\times 19+20\times10\\\\&=1^2+2^2+3^3+\cdots 19^2+20\times10\\\\&=\sum^{19}_{k=1}k^2+20\times 10\\\\&=\cfrac{1}{6}\cdot19\cdot 20\cdot 39+200\\\\&=2670 …(答)\end{aligned}

普通の数列を群に分けた場合でも,項数に注目!

群数列には,普通の数列(等差数列や等比数列)を群に分けて作られたものもあります。

基本的なやり方は同じで,あくまで項数に注目していくことが大切です。

例題2

初項2,公差3の等差数列を,

2,5|8,11,14,17|20,23,26,29,32,35|38,41\cdots

のように,2個,4個,6個,8個…と区切って群に分け,左から第1群,第2群,…とよぶとき,

(1)第10群の4番目の数を求めよ。

(2)335は第何群の何番目の数か。

(3)第n群の初項を求めよ。

(4)第n群に含まれる数の総和を求めよ。

普通の数列を区切った問題の場合は,最初に群の切れ目をなくした数列の一般項を求めておきます

2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41\cdots

初項2,公差3の等差数列になっているので,一般項a_Nは,

\begin{aligned}a_N&=2+(N-1)\cdot3\\\\&=3N-1\end{aligned}
粗茶さん

小文字のnは群の番号に使うので,あえて大文字のNを使わせていただいております。

一般項を求めたあとは,項数に注目して考えていきます。

表にまとめてみます。

今回は,第1群には1×2=2項,第2群に2×2=4項,第3群に3×2=6項…なので,第k群にはk×2=2k項あることがわかります。

(1)第10群の4番目の数を求めよ。

第10群の4番目が,全体の何番目かが分かれば,それを一般項のNに代入して終了です。

第9群までの項数は,上表の赤枠の合計で,2+4+\cdots +18(個)

第10群の4番目は,そこからさらに4つ先なので,そこまでの項数は,

\begin{aligned}
2+4+6+\cdots+18+4&=\sum^9_{k=1}2k+4\\\\
&=2\cdot\cfrac{1}{2}\cdot9\cdot10+4\\\\
&=94(個)
\end{aligned}

なので,一般項3N-1Nに94を代入して,求める項は,

\begin{aligned}
3\cdot94-1=281
\end{aligned}

(2)335は第何群の何番目の数か。

335というのは,項の値であって,項数ではないことに注意しましょう。

粗茶さん

ここで言っている335は「335番目の項」という意味ではないですよね。

まずは335が元の数列の何番目の項かを求めます。

\begin{aligned}
& a_N=335\\\\
&\Leftrightarrow 3N-1=335\\\\
&\therefore N=112
\end{aligned}

つまり,335は,元の数列の112番目の項ということがわかりました。

ここからは,例題1と同じ流れです。

次に,112番目の項が第何群に含まれるかを考えましょう。

112番目の項が第n群にあるとすると,

表にすると次のように。

第112項は,第n-1群の最後の項と,第n群の最初の項の間にあります。

n-1群までの項数(上表の青枠)は,

2+4+\cdots+2(n-1)=\displaystyle{\sum^{n-1}_{k=1}2k}=2\cdot\cfrac{1}{2}(n-1)n=(n-1)n(個)

n群までの項数(上表の赤枠)は,

2+4+\cdots+2n=\displaystyle{\sum^{n}_{k=1}k}=2\cdot\cfrac{1}{2}n(n+1)=n(n+1)(個)

これらの間に112があるので,

(n-1)n<112\leqq n(n+1)
粗茶さん

第112項が,ちょうど第n群の最後の項という可能性もあるので,右側の不等号にはイコールをつけておきます。

やはり今回も,nにてきとうな数字を代入して,成り立つかどうかを調べていきます

今回は,10×10が100なので,10あたりを調べます。

n=10のとき,(n-1)n=9\cdot10=90,n(n+1)=10\cdot11=110 で,×\\n=11のとき,(n-1)n=10\cdot11=110,n(n+1)=11\cdot12=132 で,◯

ということで,不等式をみたすnは11ということがわかりました。

つまり,112番目の項(すなわち335)は第11群にあることがわかりました。

あとは,第11群の何番目にあるかを見つければ終了です。

第10群の最後までの項数(表の赤枠)は,

2+4+\cdots +20=\sum^{10}_{k=1}2k=2\cdot\cfrac{1}{2}\cdot10\cdot11=110(個)

ここで,112-110=2より,

112番目の項(つまり335)は,第11群の2番目 …(答)

(3)第n群の初項を求めよ。

(3)は意外と単純です。

「第n群の初項」が元の数列の何番目の項か?を求めて,一般項のNに代入すればOKです。

n-1群までの項数(上表の赤枠)は,

2+4+6+\cdots+2(n-1)=\sum^{n-1}_{k=1}2k=2\cdot\cfrac{1}{2}(n-1)n=n^2-n(個)

で,その次の項が「第n群の初項」なので,それはn^2-n+1(番目)ということ。

これを一般項3N-1Nに代入して,第n群の初項は,

3(n^2-n+1)-1=3n^2-3n+2

これが答えです。

(4)第n群に含まれる数の総和を求めよ。

元の数列が公差3の等差数列なので,第n群だけを抜き出しても,やはり公差3の等差数列です。

n群は,初項3n^2-3n+2,公差3,項数2nの等差数列になっているので,公式通りに和を求めるだけです。

等差数列の和

初項a,公差d,項数nの等差数列の和は,

\cfrac{n}{2}\{2a+(n-1)d\}

今回は初項\color{red}aの代わりに\color{red}3n^2-3n+2,公差\color{blue}dの代わりに\color{blue}3,項数\color{green}nの代わりに\color{green}2nが入るので,求める和は,

\begin{aligned}
& \cfrac{\color{green}2n}{2}\{2({\color{red}3n^2-3n+2})+({\color{green}2n}-1)\cdot{\color{blue}3}\}\\\\
&=n(6n^2+1)\\\\
&=6n^3+n
\end{aligned}

まとめ:群数列はとにかく項数を追いかけよう

今回は,群数列の基本的な解き方を紹介しました。

すべての問題形式を網羅することは難しいですが,いずれにせよ,項数を追いかけることが最大のポイントです。

問題を解いたり解説を読んだりしているときに,項数の話をしているのか,項の値の話をしているのか,見失わないように,慎重に進めていきましょう。

また,群ごとの様子を把握しやすいように,表にまとめて考えるのがおすすめです。

群数列は苦手な人がとても多い分野です。この記事を参考にして,周りに差をつけていきましょう!

群数列と並び,数列の苦手ポイント二大巨頭の一角ともいえる「漸化式」についても説明しているので,ぜひ読んでみてくださいね。

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