自然数・整数・有理数・実数・複素数の記号と覚え方を考えてみた

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学生の方

この前授業で先生が「xは自然数」っていうのを
x \in \mathbb{N}
って書いてたよ。
漢字書くの面倒だから、私もやりたい!

粗茶さん

動機がちょっと不純ですが、正しい記号法なので、紹介しましょう。

集合を表す記号は、ふつうはABなどを使います。

ですが、集合の中には、特別な記号で表されるものが存在します。

それが「自然数の集合」「整数の集合」「有理数の集合」「実数の集合」「複素数の集合」です。

これらの集合には、専用の記号が割り当てられています。

高校数学の教科書では扱われていないようですが、数学的には正しいので、知ってて損はないでしょう。

この記事では、自然数・整数・有理数・実数・複素数の集合を表す記号と、その語源や覚え方(?)を紹介します。

あなたも答案の中にさりげなく入れて、できる人を演出してみてはいかがでしょうか。

この記事を読むとわかること
  • 自然数・整数・有理数・実数・複素数の集合を表す記号がわかる
  • それぞれの記号の覚え方がわかる
この記事を書いた人
粗茶
  • 高校数学・高校公民・中学社会担当の現役塾講師
  • 講師歴13年
  • 13年の指導経験で知った「生徒がつまづきやすいポイント」や「教科書よりも効率の良い解法」をわかりやすく発信しています。
目次

一般的な集合の記号

数学の集合は、ABなどの大文字を使って表します。

例えば、「xが集合Aに含まれる」ということは、

x \in A

と書きます。

このAの代わりに、ここで紹介する集合の記号を使うことで、「xは自然数」などの文を記号で表すことができます。

特別な集合を表す記号5つ

特別な集合を表す記号は、高校数学で扱う集合としては、次の5つがあります。

特別な集合を表す記号
  • \mathbb{N}…自然数全体の集合
  • \mathbb{Z}…整数全体の集合
  • \mathbb{Q}…有理数全体の集合
  • \mathbb{R}…実数全体の集合
  • \mathbb{C}…複素数全体の集合

順に紹介していきますよ。

Nは自然数全体の集合

自然数全体の集合は、\mathbb{N}で表します。

自然数とは

自然数は、1,2,3,4,5,\cdotsのような、数を数えるときに使う数のことです。

正の整数というのも、自然数と同じ意味です。

高校(大学受験)までは、0は自然数に入りません。

粗茶さん

大学数学だと、0を自然数に入れることもあるそうです。

なぜ自然数がN?

自然数を英語で言うとnatural numberになるので、頭文字のNを使いました。

自然=ナチュラルのNで覚えればよさそうですね。

Zは整数全体の集合

整数の集合は\mathbb{Z}で表します。

整数とは

整数は、小数点以下のない数のことです。

1,2,3のような正の整数もあれば、0も整数ですし、-1,-2,-3のような負の整数もあります。

なぜ整数がZ?

「数」をドイツ語で言うとZahlenになるので、頭文字をとってZです。

学生の方

ちょちょちょちょ、なんでドイツ語!?英語に統一しなさいよ!

整数を英語でいうとintegerなので、Iでもいいじゃないかと思うんですが、虚数を表すimaginary numberのIと勘違いしそうだからIは避けたと考えられています。

英語じゃないので覚え方が難しいですが、自然数のNを横に回転させるとZになるということで、整数は自然数の仲間だなあ。と覚えてはいかがでしょうか(強引にも程がある)

Qは有理数全体の集合

有理数全体の集合は\mathbb{Q}で表します。

有理数とは

有理数とは、\cfrac{\text{整数}}{\text{整数}}の形で表される数のことです。

整数も、例えは5\cfrac{5}{1}とすれば分数の形になるので、有理数です。

また、有理数は、小数で表すと途中で終わる(有限小数)か、同じパターンを無限にくりかえす(循環小数)か、のどちらかになります。

有理数の小数
  • 有限小数の例…\cfrac{1}{8}=0.125
  • 循環小数の例…\cfrac{1}{7}=0.142857142857\cdots

ちなみに、有理数でない実数を無理数といいます。具体的には、ルートのついた数、\pieなどがあり、これらは小数点以下の数字がランダムに無限に続きます。

無理数の例
  • \sqrt{2}=1.4141356\cdots
  • \pi=3.1415926535\cdots

なぜ有理数がQ?

有理数は英語でrational numberなので、頭文字のRを使いたいところですが、

Rは後述する実数(real number)に使われてしまいまいした。

そこで、「割り算の商」を意味するquotientの頭文字でQが使われています。

有理数はキュウリ数」とでも覚えましょう。

Rは実数全体の集合

実数全体の集合は\mathbb{R}で表します。

実数とは

実数とは、数直線上にある数のことを指します。

今までに出てきた、自然数、整数、有理数、無理数はすべて実数の仲間です。

実数は、2乗すると0以上になるという性質があります。

なぜ実数がR?

実数を英語で言うとreal numberになるので、頭文字のRを使いました。

実=リアルのRでいいでしょう。

Cは複素数全体の集合

あまり使う機会がないですが、複素数全体の集合は\mathbb{C}で表します。

複素数とは

複素数は、\sqrt{-1}=iと定義したときに、a+bia,bは実数)で表される数です。

2+3iとか\cfrac{1}{\sqrt{3}}-5iみたいな感じです。

iが含まれている数を特に虚数といいます。

b=0のときは実数になるので、実数も複素数の仲間です。

なぜ複素数がC?

複素数は英語でcomplex numberなので、頭文字をとってCです。

実数と虚数のコンビのCとかで覚えましょう。

手書きの場合は、一部を二重線にする

手書きの場合は、一部を二重線にして、それっぽさを表現すればいいようです。

私が実際に書いた一例を示しておきます。

記号を使うと、「数学できてる感」が出せる

今回は、自然数・整数・有理数・実数・複素数の記号と覚え方を紹介しました。

もう一度まとめておくと、

特別な集合を表す記号
  • \mathbb{N}…自然数全体の集合
  • \mathbb{Z}…整数全体の集合
  • \mathbb{Q}…有理数全体の集合
  • \mathbb{R}…実数全体の集合
  • \mathbb{C}…複素数全体の集合

nは自然数」などは頻繁に登場するので、答案にさりげなく含めて、数学できてる感を演出するのも、悪くないかもね。

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