数学的帰納法を用いた証明をわかりやすく解説!証明の流れをテンプレートで覚えよう!

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学生の方

数学的帰納法って、結局何を証明してるのか謎。

数列の最後に出てくる数学的帰納法

教科書の解説を読んでも、「仮定して、証明して…ってどういうこと?」とモヤモヤしている人も多いのではないでしょうか。

でも実は、数学的帰納法はコツさえ掴めば、どんな問題も同じパターンで解けるようになりますよ!

この記事を書いた人

粗茶

  • 文系に特化して数学を分かりやすく教える高校数学の専門家
  • 指導歴15年
  • 数学が苦手で何から始めたらいいか分からない文系高校生の悩みを解決するコンテンツを展開しています。
目次

数学的帰納法とは

数学的帰納法とは、自然数nに関する命題が、すべての自然数について成り立つことを示すときにつかう方法です。

学生の方

自然数って無限にあるから、全部調べるのは無理じゃない?

さすがに1つずつ代入して調べるのは不可能ですよね。

とりあえず、こんな例を考えてみます。

例題?

動物がたくさん並んでいます。これらがすべてネコであることを示すには、何がわかればいいでしょうか?

学生の方

そんなの、1つずつ見ていくしかないんじゃない?

実は、すべてを調べなくても、たった2つのことが示されれば、すべてがネコであることを証明できるのです。それは、

  • 左端がネコ
  • ネコの右隣はネコ

この2つです。これらが正しければ、

❶より、1番目はネコ。

❷より、ネコの右側はネコなので2番目もネコ。さらに3番目もネコ。さらに4番目もネコ…

と、すべての動物がネコであることが示せます。

これを数学の問題の形に書き直すと、

数学的帰納法の大まかな流れ
  • n=1のときに成り立つことを示す
  • n=kで成り立つとき、n=k+1でも成り立つことを示す

ということになります。

これだけ覚えよう!数学的帰納法のテンプレート

数学的帰納法の記述には、決まった「型」があります。

まずはこの流れを暗記してしまいましょう。

数学的帰納法の証明テンプレート
  • n=1のときを調べる(左辺と右辺が一致することを確認)
  • n=kのときに成り立つと仮定する(n=kを代入した式を作る。これを「仮定の式」とする)
  • n=k+1を代入した式を作って、計算用紙の隅に書いておく。これを「目標の式」とする
  • 「目標の式」が成り立つことを、「仮定の式」を利用して証明する
粗茶さん

具体的な問題で説明していきますね。

数学的帰納法を利用した等式の証明

まずは、等式の証明からいってみましょう。

例題1

すべての自然数nについて

1+2+3+\cdots+n=\cfrac{1}{2}n(n+1)\cdots(*)

が成り立つことを数学的帰納法で証明せよ。

シグマの公式としても有名ですが、数学的帰納法で証明してみましょう。

❶n=1のときを調べる

左辺と右辺に1を代入して、等しいことを確認します。

左辺は1からnまでの和なので、n=1のときはただの1になります。

(i)n=1のとき

\begin{array}{l}
(左辺)=1,\\\\
(右辺)=\cfrac{1}{2}\cdot 1\cdot (1+1)=1
\end{array}

であり(*)が成り立つ。

❷n=kで成り立つと仮定する

n=kで成り立つことを仮定して、この式を①とおいておきます。

n=kで(*)が成り立つと仮定する、つまり、

1+2+\cdots +k=\frac{1}{2}k(k+1)\cdots①

が成り立つと仮定する。

❸n=k+1の式を作って、隅っこに書く

n=k+1を代入した式を作ります。これが成り立つことを、①を使って証明します。

目標の式
1+2+\cdots k+(k+1)=\cfrac{1}{2}(k+1)(k+2)

この式は解答には含めず、端っこに書いておきましょう。

❹「目標の式」を証明する

❸でつくった「目標の式」が成り立つことを証明します。等式の証明は次の3パターンなので、やりやすい方法で。

A=Bの証明
  • 左辺を変形して右辺にする。
  • 左辺を右辺を変形して、同じものにする。
  • 左辺から右辺を引いて0にする。
粗茶さん

数学的帰納法の場合は、❶が多い気がする。

このとき、

\begin{array}{ll}
&{\color{Red}1+2+\cdots +k}+(k+1)\\\\
=&{\color{red}\cfrac{1}{2}k(k+1)}+(k+1)
\end{array}
粗茶さん

赤色の部分が①です。

\begin{array}{ll}
=\cfrac{1}{2}(k+1)(k+2)
\end{array}

よって、n=k+1でも(*)が成り立つ。

(i),(ii)より、すべての自然数nにおいて(*)が成り立つ。

赤色で示した部分に①を代入することで「…」がなくなって、無事に成り立つことが証明できます。

数学的帰納法を利用した不等式の証明

数学的帰納法を用いて、不等式の証明もできます。

不等式のほうが少しだけ難しいですが、基本的な流れは同じです。

例題2

3以上のすべての自然数nについて、

2^n>2n\cdots(*)

が成り立つことを数学的帰納法で証明せよ。

今回は3以上の自然数なので、最初はn=1じゃなくてn=3で成り立つことを調べます。

❶n=3で成り立つことを確認

(i)n=3のとき

\begin{array}{ll}
(左辺)=2^3=8,\\\\
(右辺)=2\cdot 3=6
\end{array}

より,(*)は成り立つ。

粗茶さん

(左辺)>(右辺)になっていますね。

❷n=kで成り立つと仮定する

n=kで成り立つことを仮定して、この式を①とおいておきます。

(ii)n=kで(*)が成り立つと仮定する、つまり、

2^k>2k\cdots①

が成り立つと仮定する。

❸n=k+1の式を作って、隅っこに書く

n=k+1を代入した式を作ります。これが成り立つことを、①を使って証明します。

目標の式
2^{k+1}>2(k+1)

この式は解答には含めず、端っこに書いておきましょう。

❹「目標の式」を証明する

不等式の場合は、左辺から右辺を引いて、0より大きいことを示すのが基本です。

そのときに、①を利用します。

このとき、

\begin{array}{ll}
&2^{k+1}-2(k+1)\\\\
=&2\cdot{\color{red}2^{k}}-2(k+1)\\\\
>&2\cdot {\color{red}2k}-2(k+1)\\\\
=&4k-2(k+1)\\\\
=&2k-2
\end{array}

赤字の部分で①を使っています。

2^kよりも2kのほうが小さいので、2^k2kに置き換えれば、全体も小さくなります。

その後、置き換えた式を変形しました。

ここで、k\geqq 3なので、

2k-2>0

よって、

2^{k+1}-2(k+1)>0

つまり、

2^{k+1}>2(k+1)

したがって、n=k+1でも(*)が成り立つ。

(i),(ii)より、3以上のすべての自然数nにおいて(*)が成り立つ。

不等式の場合、①を代入するだけですぐに証明できるわけではないのですが、パターンは決まっているので、しっかり練習しておきましょう。

倍数の証明にも数学的帰納法が使える

等式や不等式とはちょっと違うんですが、倍数の証明にも数学的帰納法が使えます。

例題3

すべての自然数nについて、4^n-1が3の倍数であることを、数学的帰納法で証明せよ。

❶n=1で成り立つことを確認

(i)n=1のとき、

4^1-1=3

なので、n=1のとき4^n-1は3の倍数である。

❷n=kで成り立つと仮定

(ii)n=kのときにも成り立つ、つまり整数mを用いて

4^k-1=3m\cdots①

と仮定する。

❸n=k+1の式を作る

目標の式(n=k+1)
4^{k+1}-1=3\times ■

■には何らかの式(整数になるもの)が入ります。もちろん解答には書きません。

❹目標の式が成り立つことを示す

このとき、

\begin{array}{ll}
4^{k+1}-1=4\cdot 4^k-1
\end{array}

ここで①より、

4^k=3m+1

を代入して、

\begin{array}{ll}
&4(3m+1)-1\\\\
=&12m+3\\\\
=&3(4m+1)
\end{array}

mは整数だから、4m+1も整数。

よって3(4m+1)は3の倍数である。

(i),(ii)より、すべての自然数nについて、4^n-1は3の倍数である。

まとめ

この記事では、数学的帰納法の考え方と、解き方のパターンを紹介しました。

等式であっても不等式であっても、結局は「仮定の式をどうやって代入するか」というパズルです。

この感覚が掴めれば、数学的帰納法はあなたの得意分野になりますよ!

 

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